ドイツでも日本でも、どこの国でも子育てをするのであれば、子どものママさんたちと仲良くなる機会があるかと思います。
私は、日本でシングルマザーとして5年間子育てをし、ドイツでは通算10年の子育てをしていますが、一つ分かったことは
「ドイツと日本ではママ友さんとの付き合い方が違う」
ということ。
それは簡潔に言えば「文化の違い」とも呼べると思います。
でも、「文化の違い」だけではなく「個性の違い」もあり、どちらの国でも様々な個性を持つママ友さんたちにお会いしました。
ちなみに私の場合、20代前半という若さで娘を出産することになったので、当時は周りのママさんたちは年上の大先輩ママさんたちが多く、妹のように可愛がってくれるママ友さんもいれば、お互いに大分距離の取り方を間違えて、疎遠になったママ友さんもいました。
そんな右も左も世の中の仕組みもまだよくわかっていなかった、人としてもママとしてもペーペー(死語?)だった私も、シングルママ歴13年、計15年の子育て経験の中で私なりに学んだことがありました。
【目次】
ドイツのママ友 VS 日本のママ友。そもそもメンタルが違う。
ドイツで子育てをされている方の中でも同様に感じる方も多くいるかもしれませんが、そもそも、ドイツ人と日本人はメンタルが違いますよね。
ドイツでは自己主張してナンボの国ですから、モノの見方も考え方も違います。
それに加えて、ドイツは移民も多い国。ドイツに住んでいて「ドイツ人のママ友」とひとくくりにしたところで、住んでいる街が都会であっても田舎であっても、「生粋のドイツ人だけ」なんていうのは皆無かもしれません。
ドイツで出会う異国文化を背景に持ったママ友にも、出会います。
また、ドイツの北部と南部・旧東ドイツと旧西ドイツでも、住んでいる人たちのノリみたいなものも違うかと思います。
ここは日本の関東・関西、最北・最南では若干ノリみたいなものが違うのと同じかもしれませんね。
日本の田舎の地方都市で子育てしていた時は、生粋の日本人のママ友が99%を占めていました。
日本人的感覚で言えば、何かしてもらったら必ず「お返し」や「手土産」なんかを用意しますよね。
それは一重に「ありがとう」という感謝を表す行動なのかもしれませんが、移住初期に(自分がもらえないことは分かっていたけれど)ドイツ人ママ友にかなりの頻度で手土産(お菓子やお茶とか)を渡していたら本気で迷惑がられました。。

ドイツのママ友とのお付き合い。自分が頼るために相手に頼ってもらえる姿勢でいる。
私の場合、良好な人間関係を築いていた元義両親宅が車で30分以内にあったとしても、やはり何かとママ友のヘルプは絶対的に必要でした。
なぜなら、自分が在宅ワーカーになったときも、手が離せない仕事も多く、立て込んでいたり〆切のある仕事をしていると、一日がっつり集中して終わらせてしまいたいことがあり、昼過ぎに終わる学校からそのままお友だち宅に直行してくれたり、帰宅後、我が家でお友だちと何時間でも遊んでくれると、大分助かるからです。
ちなみに、ドイツにも両親が共働きの家庭向けに放課後子どもを預かってくれる「学童保育」があります。
ただ、我が家の娘は言葉の不自由さや内気な性格も手伝って、日本でも通った放課後の「学童保育」にお世話になることは、(元々本人が日本の学童保育も好きではなかったのもあり)断固拒否しました。
仕方がないので、相手のママさんたちにご迷惑でなければ、じゃんじゃん娘とお友だちをお互いの家へ行き来させたいと思っていました。
そこで、私は相当な理由(体調不良とか)がない限り、娘とお友だちがお互いの家で遊ぶことにほとんどOKをしていました。
そのためか、帰宅後に娘の友だちが「今日遊べる?」と電話をしてくるようになり、娘も遊びたい友だち宅へ電話をするようになりました。
そして、遊ぶ場所がいつもお友だち宅に偏らないように、気を付けました。
ドイツのママ友とのお付き合い。我が家ルールは貫き、かつ柔軟に。
娘とドイツの友だちたちがお互いの家を行き来するようになってくると、メリットがいくつかあります。
- 仲良しの友だちの個性を知ることができる。
- 娘が友だちとどういうコミュニケーションをとっているのか知ることができる。
- ランチの時に(小学校は昼過ぎに終わるので帰宅後ランチになります)、友だちの視点でも学校の話を聞かせてもらえる。
- お友だちのお迎え時に、ママさんとお茶をする時間をとって個人的な話をすることができる。
- お友だちのママさんやパパさんが、どんな考えを持った人たちなのか知ることができる。
- ママさんやパパさんたちと、学校についてや子育てについての話をすることができる。
ただですね、ドイツ人のママ友さんたちは、日本で出会った99%日本生まれ日本育ちのママ友さんたちと決定的に違うことがありました。
それは・・
日本人的感覚の「夕飯を作る」「夕飯の支度をする」という発想がないこと。(マジです)
そう。一般的なドイツ家庭の夕ご飯は、朝ごはんとほぼ同じ「パン食」。(”冷たいごはん”と言う意味で”Kaltesessen"と呼ばれます。嫌味っぽいですが事実です。笑) 付け合わせに、ハム・チーズ・生野菜・ペースト類を冷蔵庫から出すだけなのです。(!)
この感覚に気が付くまでモヤモヤとした時期がありましたが、私も娘が友だちと楽しく遊んでくれていた方が仕事がはかどるので、遅くても仕事に没頭していたこともありました。
多分、私自身が「何でもOK♪」といったラフな感じだったからだと思いますが、夏場だとママ友さんたちの他の子どもの習い事のお迎え時間の関係などもあり、我が家に遊びに来ている子のお迎えが18時とか18時半とかになることも。
そもそも、夜は大人の時間を大切にする文化もあるドイツ。子どもは19時半~20時には就寝する家庭も多くある中、毎日お風呂に入る習慣もないため(冬場は特にお風呂が週1回になる家庭も多く、驚愕した覚えがあります)、迎えが遅くてもまぁそういう文化だから仕方ないか、とは思っていました。
ただ、私が夕飯の準備がままならないし、作った夕飯を食べているわけにもいかないし・・。
というわけで結構早い段階で

と、提案してみたことも。(常習犯がいたわけではないのですが)
こう切り出すと、一般常識のあるママ友さんたちは大抵

「〇曜日は(もう一人の)子どもの習い事があるから、その前に迎えに行くわね」とか、「夕飯、何作るの~?」とか更に話が広がり、おいとまが長引いてしまうこともありましたが、文化を知ってもらえる絶好の機会だったので、あえて色々と話を楽しんだこともありました。
まとめ
シングルマザーで日本で子育てをしていた頃、保育園のママ友たちはほとんど全員がフルタイムワーカーでした。その中にはシンママ友だちもいたのですが、基本的に平日は、自分も含めどの家庭も朝から晩まで毎日が時間に追われるように過ぎ去っていきました。それは、小学校にあがってからも同じでした。
周りがそんな感じだったので、平日に頼ることも頼られることも日本でのママ友同士お互いにそういう発想がなかったように思います。
皆が皆、お互いに忙しいのを知っているので「頼る」なんてできなかったのかもしれません。
一方、田舎に住んでいるとシンママ友だちもワーママ友だちも実家や義実家の助けがあったりしますよね。
実家の助けがほぼなかった私にとっては、やっぱり遠慮が先に来て、そんな子育ての助けがあるママ友が結構羨ましかったものです。
ドイツでシングルマザー子育てをして分かったことは、シンママもワーママも主婦ママも、皆良い意味でゆるーく子育てをしているということ。
自分だけの時間も大切にするし、夫婦だけの時間も大切にしています。
それは、ドイツ社会そのものが働きやすい環境に法整備されていること、そして子育てしやすい環境や価値観が社会に浸透していることが大きいのではないかなと思います。
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