
日本では5年、ドイツでは12年という長い期間で、シングルママをしてきた私。特に海外で暮らしながら子育てをするシングルペアレントには、多くの挑戦が伴いますよね。異文化の中で孤立感を抱えることもあるし、言語の壁に直面して凹んだりする中で、心の健康を維持することはとても重要です。
今現状真っ只中の方もいらっしゃると思いますので、応援を込めて私の経験をシェアしておこうと思います。海外暮らし、ひとり親に限らず、ワンオペ育児や海外育児で疲れているママさんたちにとっても、ご参考になれば幸いです。
ということで、ひとり親が陥りやすい5つのメンタルの不調と、その対処法についてサクッとシェアします。
ひとり親が陥りやすい5つのメンタル不調
- 孤独感と孤立感
- 罪悪感
- 経済的な不安
- 燃え尽き症候群
- 自尊心の欠如、自己喪失感
ひとり親の方は特にあるあるですよね。ひとり親で恵まれている状況の方でも、1つや2つはあるのではないでしょうか。
ひとり親が陥りやすい5つのメンタル不調の症状
では順に、それぞれの症状を解説していきます。
1.孤独感と孤立感
置かれている状況によって個人差があるかと思いますが、基本的にひとり親だと、支援を得られる人が少なく、全てを自分一人でこなさなければいけないというプレッシャーを背負います。結果、その責任感が孤立感を深める原因になります。日本人だと特に周りの方々に遠慮してしまう文化もありますので、家族や友人の助けを借りることが難しいと感じてしまうこともあるかもしれません。
また、両親が揃っている普通の家庭のママ友たちとの集まりに、気を遣われてしまっていることを感じたり、生活の質の違いに差を感じて孤独感を感じることもあるかもしれません。
2.罪悪感
様々な罪悪感があるかと思いますが、例えば父親が家庭内に存在していないことへの罪悪感や、子どもに充分な時間を割けない、経済的に苦労をかけていると感じてしまうことなどです。
3.経済的な不安
収入が一人分しかない状況の場合、常に経済的なプレッシャーを感じます。子どもが小さいうちはまだお金がそれほどかかりませんが、子どもの成長と共に、教育費や生活費が上がってきます。収入柱が一人だけになると、それらを賄うことは大きな負担となり、不安やストレスが慢性化する原因ともなります。
4.燃え尽き症候群
育児、家事、仕事のプレッシャーが重なり、慢性的な疲労感に苛まれます。私はこれを日本でシングルペアレントをしていた時から、日本の家族と抱えていた心理的な問題もあり、自己診断にはなりますが、20代、30代、40代でそれぞれ1度ずつ陥ったことがあります。これが一番しんどかったかな。
5.自尊心の欠如、自己喪失感
ひとり親を選択した理由にもよりますが、DVやモラハラが原因の場合は、心理的作用から、自分に非があったのではないかと、自尊心がボロボロ状態になっています。また、子育てやその他のTO DOリストに追われる中で、自分の時間が持てなくなり、「自分らしさ」を見失うことがあります。特に海外ではアイデンティティや文化的な自己認識が揺らぎ、自己喪失することがあります。
ひとり親が陥りやすい5つのメンタル不調の対処法
ここまで不調が続くと、子育ても楽しくなくなりますよね。症状が重くなってしまった場合は医師の判断を仰ぐことが必要ですが、自覚症状のある軽い場合は、以下の対処法も効果があるかもしれません。
1.孤独感と孤立感
オンラインや人との繋がりを活用する。
コロナ禍以降は急速にオンラインでの繋がりが広がりました。今でも少人数のオンラインサロンや、オンラインでのお話会などがあるので、同じような境遇の方たちとつながりたい場合は、探してみるのも1つの手です。
私は当時、同年代の働く独身の友達が現地に欲しかったので、自分が発起人になってご飯会を定期的に開いていました。自分とは違う分野で活躍する方々と繋がるのは、純粋に自分の視野が広がり楽しかったのを覚えています。もう10年近く付き合っている友達もいるので、行動を起こして良かったなと思っています。
2.罪悪感
私の場合は、子どもに、いわゆる絵に描いたような「幸せな家庭」を見せて上げられなかったことを最初の方は感じていました。
対処法としては、得に何をしたわけでもないのですが、周りにはそういった幸せファミリー友達がいくつかありまして、逆に、そういうご家庭と自分が偏見なく付き合って、様々な家庭環境を経験させてもらうようにしていました。自分ではすぐに作れなかったので。
また、受け入れ先のご家庭が子だくさんのご家庭が多かったのもあったかもしれませんが、一人っ子の娘が遊びに行ったりお泊りすることを、提案してくれるご家庭が多くありがたかったです。結果、自分だけの時間を作ることにも成功し、徐々に罪悪感を感じなくなっていきました。
3.経済的な不安
これはシングルペアレント家庭ではなくても、子どもが増えれば増えるほど感じますよね。ひとり親になる時なんて、それこそスカイダイビング並みの勇気が必要です(あまり良い例えでなくてすみません)。
ただ、モヤモヤわからない状況でいるから不安なのであって、しっかりと情報収集して、自律をしていけば不安は解消されていきます。
例えば、
- 家計簿をつける(1ヶ月の収支を明確化すれば、家計の何にどのくらい必要かがわかります)
- フルタイムワークを探す(収入が自分のみになるのであれば、まずはメインの収入柱を探しましょう)
- 副業やスキルアップを考える(オンラインでの仕事情報を収集したり、現地語のスキルアップを怠らないなどです)
- 福祉機関情報を集める(前回の投稿でも書きましたが支援制度を抑えたら、低所得家庭でも利用できるNPO団体や、フードバンク、Too good To Goなどの廃棄食品を低価格で購入するなどです)
4.燃え尽き症候群
過去の記事でも書いていますが(長い海外生活で「燃え尽き症候群」に陥った!私のドイツでの対処法。)、とにかく休むこと!これに尽きます。なんなら、自分にとってストレスだと思っていた状況を改善できるのであれば、片っ端から取り入れてみてくださいね。
会社員であれば、有休消化をしても良いし、なんならHausarztに行って症状を話して、病気欠勤の証明書を出してもらうのもアリです。(ドイツの会社員は、有休とは別に病気の時にも有休同様別枠で休める期間があります)
ストレスフルな人間関係に悩まされているのであれば、しばらく連絡を断つとか。
子どもがOKなら、遠慮なくママ友さんに事情を説明して、1泊お泊まりをさせてもらいましょう。ドイツの家庭の方は、自分の子どもがお友達と遊んでくれるため、子どもを構う時間が減るのもあり、快諾してくれる方が多いです。
5.自尊心の欠如、自己喪失感
この感覚、ずっと抱えている方もいれば、ある時ふっと来る方もいらっしゃると思います。
パートナーとのトラウマや、もっと遡ると自分が幼少期の家庭環境が関係している場合も多いです。
ただ、自分はダメだと思わず、まずは、その感情を持つことは普通のことだと受け入れることから始まります。
誰からもジャッジされることなく。そんな自分を受け入れるのです。
「自分、頑張っていたんだな。でも疲れちゃったんだな。そうだよね、疲れちゃうよね。」と。
周りからどうみられているかが、文化的価値観に染み込んでいる日本文化なので、無意識的に自分で自分をジャッジしていることもあります。ですので、もうすでに120%頑張り尽くして最大限のベストを尽くしている方が多いと思うので、せめて自分だけは、大切な大切な自分だけは、自分の味方でいてあげてください。特に自己犠牲が身についてしまっている方は、自分を大切にすることは訓練が必要かもしれません。でも、自分を大切にできて、初めて他人のことも、子どものことも大切にできると思います。
結論
海外でのひとり親生活は、自分で選択したものの、決して簡単なものではありません。でも、あなたが日々子どものために頑張っている姿は、子どもはちゃんと見てくれています。辛い時には無理をせず、周りの方々に助けてもらいましょう。誰だって、一人で生きてはいけません。小さな一歩一歩の積み重ねが、未来の幸せに繋がると信じています。
不安なことも多いかと思いますが、決して「幸せ」を諦めないでくださいね。
自分ときちんと向き合い、子どもともきちんと向き合い、そうして得た努力と愛情は、きっとお子さんたちの心にも刻まれ、未来の人生を支える糧になると思います。
今は、本当に真っ暗なトンネルの中を歩いている方もいらっしゃるかもしれませんが(過去の私がそうでした)、大丈夫。子供が成人すれば、全てが良き経験になり、人としての深みと強さが増しますよ。
◇Spotify Podcast (Sunny's Garden ドイツの日常ラジオ)
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