
2度目のドイツ移住から丸10年。
今まで、様々なハプニングに遭遇しましたが、うっかりハプニングもそれなりに経験しています。
そんな経験を読者やリスナーの皆さんのご参考になったり、単純に楽しんでいただけたら嬉しいです。
(2022.5.8のラジオ配信回の書き起こし+追記になります)
【目次】
ガソリンスタンドで給油後、お財布がないことに気づいた!
皆さんの中にも、私のようなうっかり経験がある方はいらっしゃいますか?(いないと思いますが・・)
ドイツに移住して通算12年、2度目の移住からは丸10年経過する私。
長い海外生活に慣れてきたのもあるのか、直近の過去5年間にガソリンスタンドで給油後、なんと2度もお財布を忘れていた経験があります。
1度目は、持ったと思っていたら持っていなくて、完全に家にお財布を忘れてしまっていました。。(おいおい・・)
2度目は、普段使わないバッグにお財布が入っていたのを確認せずに、そのまま普段使いのバッグを持っていってしまいお財布が入っていませんでした。。(なぜか免許証だけは入っていた)
いやはや、原因は「多忙」という言葉につきます。
よく聞きますが、「忙しい」とは「心」を「亡くす」と書きますものね。
そして、「忘れる」も「亡くした」「心」と書きますよね。
そんなうっかりお財布を忘れてしまった時、どんな風に対応すれば良いのでしょうか?
ガソリンスタンドの店員さんの対応にびっくり。そんなんで良いの・・?
1度目と2度目のガソリンスタンドは、それぞれに別の場所でした。
そして、どちらも対応が違ったので、ご紹介(?)したいと思います。
1度目のガソリンスタンド(Aral)※5年くらい前
こちらは、他ディスカウント店とは若干高い(と言っても1リットルあたり5-10セントくらいの差)のですが、ポイントを貯めるために利用していました。
なんせ1回満タンにするのに当時で50-60€、月当たり私は多い時で3回は行くので、毎月になると結構ポイントが貯まります。
そんな感じでそれなりに店員さんと顔見知りで、何ヶ月も通っていたら挨拶をするような感じのところでした。
そんな折、ガソリンを満タンに入れた後にお財布を出そうと思ったらスマホしかないことに気づき、プチパニック。
ドキドキしながらスマホを片手に握りしめ、

『あの・・財布を忘れてしまったのですが・・どうしたら良いですか?』
と聞いたら、顔見知りの店員さんが、私が握りしめているスマホを指差し、
『そのスマホを置いて行って、お金を家に取りに行ってまた戻ってくればいいよ』
と。
なんかすごい軽い感じだなあ・・と思いました。
既定の書類とかはなく、例えていうならまるで
”雨が降ってきたから、とりあえず買ったものを置いて、その辺のコンビニで傘を買ってきたら?”
みたいなノリですよね。笑
そんな感じで、家が近所だったのですぐにお財布を取りに戻って、無事にお支払いが済んで終了しました。
2度目のガソリンスタンド(Esso)※最近
こちらは、この1年くらい利用している同じくポイントが貯まるガソリンスタンドです。
ただ、コロナ禍で外出することが激減したので、利用回数も少なく店員さんとはまだ顔見知りではないです。
バッグはあるからお財布があるものと思って開いたら、中にはなぜか免許証は入っていたものの、支払い用カードの入ったお財布がなく、プチパニック。
でも、1度目の失敗があったので、まあ自分なりに落ち着いて対処できました。(そんなスキル必要かわかりませんが・・笑)
そして、咄嗟に口から出た言葉は、

『お財布忘れたみたいです・・。支払い用のカードを家に取りに行ってくるので、その代わり何を置いていけばいいですか?免許証はあるけど・・』
と。以前忘れた時のガソリンスタンドではスマホを置いていったから、何か置いて行った方がいいのかと思って。
でも、その店員の女性は
『何もいらないわ。車のナンバーはわかってるからお金を持って戻って来てね』
と。
これまた、すごい軽い感じでおっしゃったんですよね。
あまりにも軽いので、後々何かあったら困るし、と思って

『えっ・・免許証のコピーとかはいらないんですか?』
と、聞き返してしまうほどでした。(本当に何もいらなかった)
ガソリンスタンドでも、もしかしてスマホで支払い可能だった?(1度目)
1度目のガソリンスタンドでは、スマホしか持参していなかった私。
当時は、スマホでの支払いが可能だったかどうだったかわからないのですが、サクッと調べてみました。
すると、2015年以降はドイツでも「NFC(Near Field Communication)」という、「非接触型決済」 を導入した機械が増えました。
簡単にいうと、店舗に設置されているNFC搭載のカード決済機械に、同じくNFC機能のあるスマホや、クレジットカード、デビットカードをかざすだけで、支払いが完了できるものです。
日本では、すでに駅の改札など多くの場所に使われているかと思います。
ドイツでは、ここ数年で一気に増え、銀行のデビットカードやクレジットカードが新しく送られてくると、NFCチップが入っているカードに切り替わっているのを感じていました。
お支払いをする際に、現在ではほとんどのショップにNFC機械が導入されていると思うので、珍しくありません。(地方の小さなショップはわかりませんが・・)
なので、自分のスマホにNFC機能が入っていれば(現在は大体入っているようですが)、決済アプリをダウンロードしてクレジットカードかデビットカードを紐づけしていれば、スマホのみでの支払いも可能だったかもしれません。
5年くらい前のことでもあり、当時は(今も)私はスマホでの決済は紐付けしていません。(支払う内容によって、カードの種類を変える必要があり面倒なので)
ガソリンスタンドの店員さん。お客さんを信用する判断基準って何だったの?(2度目)
2度目のガソリンスタンドでは、免許証の入ったバッグは持っていたものの、支払い用カードを持参していなかった私。
すぐに家にお財布を取りに行ってお支払い後、店内に誰もいなかったので、私の好奇心から店員さんとスモールトークしてみました。
ちょっと自分の弁護も兼ねてはいましたが、「何もいらないわ」という彼女自身の判断に興味があって。

『こういうことってよくあるのですか?
(Passiert es sowas oft?)』
と聞くと、
「そんなに頻繁に起こることではないけれども。
Wir sind Menschen.(私たちは人間だもの)だから、忘れることもあるわよ。」
と。
こういう会話を日本で聞くことができるだろうか、とふと考えてしまったのですが、
お客さんである私が「お財布を忘れた」ことについて、こんな優しい一言を言えるって、素敵だなと思いました。
そんな彼女も心のある、一人の「人」なんですよね。それ以上に、外国人である私を、一人の人として信頼してくれたことが嬉しかったです。
彼女は、そのガソリンスタンドで長いこと働いているようですが、お財布やお金を忘れてしまうお客さんはたまにいるけれど、
大体お客さんの見た目とか話し方で、その人のことを信用できるかどうかが分かるそうです。
自分に置き換えて考えてみても、汚い格好をしている人や
言葉遣いが悪く、態度が横柄な人だったりすると、不安になりますよね。
そんなことも考慮して、基本的にドイツでは「ひとり親の女性、外国人」という認識を忘れないでいる私は、
基本的にいつも小綺麗な格好をするようにし、お店に入るときは笑顔で挨拶するようにしています。
髪の毛ボサボサ、上下スウェット、汚いボロボロスニーカー、とかは、他人から私への信頼を損なわないために、
絶対にしないようにしています。
仮に自分が何か事件に巻き込まれた時など、人の潜在意識にある差別って、自分にとって不利になることがありますからね。
語弊がないように書きますが、外国でひとり親として子供を守るために身につけた、護身術です。
もしかすると、上記のようなこともあったせいか?店員さんは、「私が変な人じゃないっていうのはわかったから信用したのよ」って言ってくださいました。
どちらにしても、ガソリンスタンドの中には
・監視カメラがいくつも設置されている
・車のナンバーはわかっている
ので、仮に私が支払いせずに逃げてしまっても、データを警察に渡せばいいだけなんですけど。
ただ、信用できないと思うお客さんには、指定の書類に記入してもらって、サインをもらうそうです。
免許証があれば、そのコピーも取るとのことでした。
会社として、彼女の判断が正しかったかどうかはわかりませんが、多国籍民族の住むドイツという国で他人を信用することの難しい今、
こういう優しさは忘れないようにしたいなと思いました。
最後に
海外生活が長くなるとささくれることもあるし、ドイツ生活に疲れる方もいらっしゃると思いますが、こういう優しい人に出会えることもありますよね。
人間ですから、お財布を忘れちゃうこともありますが、今回のハプニングではガソリンスタンドの店員さんの素敵な言葉と出逢うことになりました。
こういう小さな幸せ、嬉しさに気づくことができて、感謝です。
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