
子育て家庭にとって、子どもに渡すお小遣いの金額の相場って気になりますよね。
日本で子育てしていた時は、まだ子供が小さかったのもありあまり考えていませんでしたが、
ドイツで子育てしてきた中で、話題に上がるテーマでした。
そんな子育て家庭が気になる、ドイツのおこづかい(Taschengeld)についてです。
読者の方やリスナーの皆さんのご参考になったり、単純に楽しんでいただけたら嬉しいです。
(2022.5.15のラジオ配信回の書き起こし+追記になります)
【目次】
ドイツのおこづかい金額&頻度について。9歳までは週に1度。10歳からは月に1度へ。
小学生以上のお子さんがいらっしゃるご家庭は、恐らく毎週または毎月、おこづかいを渡しているご家庭が多いかと思います。
私のドイツでの子育て経験からだと、我が家は一人っ子だしちょっと経験値が狭くなるかと思いますので、
Deutsches Jugendinstitute (ドイツ青年研究所)という機関が2022年2020年に公開しているデータをシェアしようと思います。
わかりやすいように表にしてみました。
6歳以下 0,50-1,00€(週)=2,00-4,00€(月) | |
6歳(小学校1年生) 1,00-1,50€(週)=4,00-6,00€(月) | |
7歳(小学校2年生) 1,50-2,00€(週)=6,00-8,00€(月) | |
8歳(小学校3年生) 2,00-2,50€(週)=8,00-10,00€(月) | |
9歳(小学校4年生) 2,50-3,00€(週)=10,00-12,00€(月) | |
10歳 16,00-18,50 €(月) ※ここから以下はラジオ内容と若干ずれます・・参考にしていたサイトが違っていました。 | |
11歳 18,50-21,00€(月) | |
12歳 21,00-23,50€(月) | |
13歳 23,50-26,00€(月) | |
14歳 26,00-31,00€(月) | |
15歳 31,00-39,00€(月) | |
16歳 39,00-47,00€(月) | |
17歳 47,00-63,00€(月) | |
18歳 63,00-79,00€(月) |
上記の表を見てわかる通り、6歳以下の欄もありまして、大体4歳頃から始めても良いそうです。
確かに、小さい頃からお金が好きな子や、おつかいに行ってお母さんのお手伝いをしたがる子もいるかと思うので(←我が家の娘がそうでした)、そういうお子さんにはきちんとお金の概念や使い方について教えると良いかもしれません。
ただ、私の周りのご家庭を見ると、小学校へ入学してから始める家庭とまだ始めない家庭と半々だった記憶です。
さて、おこづかいをあげる頻度についてですが、6歳から9歳までは週ごとにあげることを推奨されています。
これは、子供の成長度合いにもよりますが、1ヶ月に1度だとまだ時間やお金の配分について分からなくなってしまうので、
10歳までは週ごとの方が良いそうです。これは10歳からの月に1度に変わった時への練習も兼ねているそうです。
週ごとに分割してもらった方が、子どもも「今週は○○€使える」「今週使わなければ来週は増えて、○○€になる」という計算ができるようになります。
こうして週ごとの金額がわかっていれば、欲しいお菓子やおもちゃがあった場合、その都度、親と一緒に今持っているお小遣いの合計金額と、欲しいものの差額などについて話をすることができますよね。
10歳くらいまでに、それまでの週ごとにもらっていたお小遣いの計算の練習をしておくと、10歳になった時に月に1度へと変わった時、すんなりと自分一人でもお小遣いの計算をすることができるようになります。
この10歳以降18歳頃までのお小遣いの幅は、一番子どもの成長も著しく、諸々にお金のかかる時期かと思います。
子どもの性格や個人差にもよるかとは思うのですが、欲しいものもより具体的で値段の張るものになっていきますよね。
まだ10歳から13歳頃までは、可愛らしいおもちゃやアクセサリー、洋服もキッズサイズでOKだったものが、成長期も重なって、洋服や靴も大人サイズ、大人仕様になって行きます。
月に1度のお小遣いでどこまで自己負担するべきかは、各ご家庭で悩むところかとは思います。
ドイツに住む17歳のおこづかい事情とマネーリテラシー。
このブログの読者さんに、ティーンのお子さんがいらっしゃる方もいるかもしれませんので参考までに書いておきます。
我が家の17歳娘の場合は、かれこれ2-3年くらい前から定額で50€を渡しています。
この金額の中には、毎月のスマホ利用料(スマホ本体代含めて2年分割で月35€)は含まれていません。
また、学校で使うスキー用品や学用品、たまに必要になるランチ代や旅費なども含めていません。
このお小遣いでやりくりしてもらうものは、例えば友人と映画を見に行く、街まで遊びに行く、カフェに行く、気になるスキンケア商品を買う、などです。
足りない場合は、当然ですが翌月まで我慢です。
娘の場合は、この1年くらいはたまにカフェへアルバイトへ行っているので、毎月のバイト代も含めて、自分の欲しい洋服や靴、化粧品がある場合は、やりくりしているようです。
ただ、カフェ(やレストランなど)で働いていると、ドイツではお給料とは別にチップをもらえるので、基本的にお給料は全部貯金しているそうです。
毎月チップ(Trinkgeld)の金額は変わりますが、大体20−60€くらいだそうです。
この辺のお金との付き合い方については、過去にどこかのブログ記事に書いたかと思うのですが、
我が家では娘がドイツ語の方が理解しているので、「Ein Hund namens Money von Bodo Schäfer」という本で勉強してもらいました。
日本語版は「マネーという名の犬」というタイトルで、私は日本語版を読みました。
若干時代が古い内容もあるのですが(銀行の利息でお金を増やすなど)娘が14歳くらいの時に、お金の扱い方や付き合い方を学び始めた最初の本です。
語弊があると心外ですが、彼女は小さい頃から純粋にお金に興味のある子どもでした。
9歳の時には、欲しいおもちゃがあるというので、私の提案で、自分の使わないおもちゃをかき集めて、家の前で友だちとフリーマーケットを開いて数時間で10€を生み出していました。
12歳の時には、古いスマホを落として壊してしまったのをきっかけに、eBayで自分の不用品を売ることに挑戦させ、1ヶ月位で100€を生み出し、安いスマホを購入しました。
娘のクラスメイトには、富裕層家庭の子どもが数名います。富裕層のご家庭だと親のお金に関する価値観や、子どもへ与えるお小遣いの金額が桁違いです。
ただ、その環境が子供にとって良いか悪いかは別として、娘と一緒に親子でお金との付き合い方や教育についてあれこれと話をするきっかけになるので、親としては感謝です。
おこづかい関連で、決めておくと良いこと。した方が良いこと。
今回、ドイツのおこづかい事情について調べていて、印象に残ったことがいくつかあります。
1)おこづかいを渡す日を決めておくこと。
「一貫したルールを保つ」とは、子育てをする上でも大事だとよく言われることですが、お金に関しても同じですね。
会社勤めをされている方はそうですが、大人も決まった日にお給料が入れば月毎の収支計算が楽ですよね。計画も立てやすいし。
2)子どもと率直に家庭の経済状況について話をする。
ご家庭の経済状況や子どもの人数、年齢、家庭環境によっては様々ですよね。子どもに毎月定額でおこづかいを渡せないご家庭もあると思います。
そういった場合においても、率直に子どもと家庭の経済状況だったり、お金のことを話すのは大事だそうです。
我が家の場合はドイツに移住後、家庭の経済状況が凄く大変だった時もあったので、小学校 3年生くらいからだったか、きちんと家計について話をすることがありました。
お金が湧き出しているかの如く、あれも欲しいこれも欲しい、という時期って少なからず子どもにはあると思います。
そんな時には、率直に何にいくらお金がかかっているんだよという話はしていました。
人によっては酷なことだと思う方もいらっしゃるかと思うのですが、良かれと思ってそういったことをたしなめるアドバイスをしてくださる方は、経験上、自分のお金ときちんと向き合っていらっしゃらない方が多かったです。
子どもの性格にもよるかと思いますので、是非お子さんをよく観察して判断されると良いかと思います。
3)お小遣いの増減を、罰や報酬として使わない。
今まで何冊か読んだ子育て本や教育本にも書かれていたことを思い出したのですが、罰と報酬は危険な子育て方法です。
将来、大人になった時に人格に歪みが生じるかもしれません。
例えば、「嘘をついたから(兄弟をいじめたから)、おこづかいはなしね」とか、「テストの点数が良かったから(悪かったから)、おこづかいは増やすね(減らすね)」というのは、
教育上、弊害しかないそうです。大人を信頼しなくなる、自分に自信が持てない、など理由はいくつかあるかと思いますが、子どもが混乱するので、親はおこづかいを教育上の歪んだ躾に悪用するべきではありません。
最後に
ということで、今回はドイツのおこづかい事情でした。
日本でもそれほど変わらないかもしれません。
ただ、日本の中学生・高校生になると学校や住んでいる地域、部活動の有無などで、おこづかいの金額に多少の差が出てくるかと思います。
男子と女子でも、食べる量や欲しいものの違いに個人差が出てくるかもしれませんが、どなたかの参考になれば嬉しいです。
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