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2024年の振り返りは「子どもの自立」と「子離れ」

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2024年の振り返りは「子どもの自立」と「子離れ」

ここ数日、フライング気味に夜遅くまで近所で打ち上げ花火の音がなっている中、2024年を振り返ってみました。

2024年はこちらのブログはあまり更新しておらず、おまけに音声配信の方も途中からフェイドアウトしていました。

やりたいなと公言していたことも、全く現実化さえしていませんでした。

ただ今年は、プライベートの方でのチャレンジと挫折の繰り返し、そしてそれでも諦めずに進んできた自分がいるので、そんな自分を誇らしく感じている大晦日です。

2024年、ついにこの時が来た!

2024年は長い子育て人生で、首を長くして待っていたことがありました。

それは、「子どもの自立」

2歳で国際別居のために日本へ移住し、その後7歳でドイツに再移住した娘は19歳になり、親ばかごめんですが立派に自立していきました。

彼女が7歳の時のドイツへの移住は、国際離婚後のことだったので、日本の家族の反対を押し切り移住したのもあり、

日本の家族を心配させないためにも、自分が子育てで「結果を残すこと」をいつも気にかけていました。

子育てで結果を残す、ってどういうこと?と思いますよね。

それは、我が家(私の親として)の教育理念みたいなものを貫き通すことでもありました。

  • 「ありがとう」「ごめんなさい」を必要な時に必要な相手にきちんと伝えられる人に育てること
  • 自分のことを自分で決められる人に育てること
  • 健全な自己肯定感を持った人に育てること
  • 他者に対する思いやりを持った人に育てること
  • 礼儀を身につけた人に育てること
  • 自分の考えや気持ちを表現することができる人に育てること

これらが身についた人は、大人になって困ることはないだろう、と考えたからです。

人とのコミュニケーションが円滑に進めば、「人から好かれる人」になり、多くの人からサポートをもらいやすくなりますよね。

そして、人や状況に依存することなく、自己肯定感があれば挑戦することも恐れないだろうな、と思いました。

ということは、どういう才能があっても、逆に何も取り柄がないと世間が思うような人になったとしても(そんな人はいないと思うのですが)、人から愛される人であれば一人でできないビジョンは他者からの協力により、実現化できますよね。

そして、仮に一人でいても、生きていることに幸せを感じられる人になるだろうと思いました。

そのため、勉強ができるとか、芸術的感性を磨きあげるとか、スポーツ特待生にさせる、などは一切考えませんでした。

ちなみに、本人が「やりたい」ということはさせていたし、「やめたい」というなら、自分の人生に責任を持たせるためにも「やめたい」を尊重していました。

ここ数年は、彼女なりに大きく成長し、やりたいと思うことにどんどん挑戦していました。

そして、挫折感も味わったけれど(これすごく大切)、ポジティブに捉えて次に繋げられる経験もしました。

「もう大丈夫。彼女は大人の社会に出る準備はできている。もう、私が教えられることは何ひとつない。

あとは世界に飛び立ち、たくさんの人たちから、働くこと、生きること、愛し愛されること、人生全般について、多くを学んでほしい」

そう思えるようになっていました。

一人親の決断(子離れ)

多くの親が可愛い我が子が自立する、つまり家を出ることになると、寂しいと感じますよね。これをENS(Empty nest syndrome/空の巣症候群)と言うそうですね。

簡単に言うと、子どもが独立して家を出た後に親が感じる喪失感や孤独感。主な症状は寂しさ、役割喪失感、悲しみ、自分のアイデンティティに対する迷いなどです。

可愛いヒナが巣立った後の巣に残る親の、そこはかとなく寂しい心情を表しています。

私の場合、幸か不幸かそういう寂しさは定期的に経験していました。

どういうことかというと、ドイツへ移住してからは、定期的に子パパと娘が長期休暇を一緒に過ごすことがあったので、

それまで1年365日、24時間子供の世話とフルタイムの仕事や家事に明け暮れていた7年間に急にピリオドがきて、この空の巣症候群のような経験を定期的にしていました。

「ストレス耐性」というと変な表現になりますが、この12年間、毎年何週間かは育児からも家事からも解放される期間があったので、

もはや「子離れ」は板についていました。笑

そもそも一人親で子供を育てることへの非効率性や、健全なメンタル維持の難しさを感じていたので、一人でも多くの人の手を惜しみなく借りた方が良いと思っています。

また、子どもが思春期に入ると、それこそ親と過ごす時間は激減し、我が家の場合は娘がアルバイトを始めた10年生頃から、週末も自由に過ごせる時間が増えていきました。

そのため、今後の自分の身の振り方(つまりセカンドライフ・セカンドキャリア)について真剣に考え始めたのもこの頃です。

そうして、2024年。

娘が12年生を卒業するタイミングが重なることもあり、全てをリセットしたいなと思っていました。

つまり、もう子育て故の制限のある生活から、自由に解放されたい願望が強くなっていたんですね。

住む場所も、働く場所も、働き方も生き方も、自分デザインにしたいな、と。

そうして、親子で卒業旅行として最高に楽しんだ日本一時帰国後すぐに、以前からなんとなく話はしていたものの

「ママ、引っ越すから。あなたも自分の道を決めてね」

と、半ば強制的に2024年後半の具体的な道を決めさせるために背中を押しました。

親子で新たな道へ

一人親になった時点から、つまり私の場合は娘が2歳の頃からですが、孤独と喪失感、焦燥感、というものに嫌と言うほど向き合ってきました。こちとらベテランでございます。笑

一般的に言われるENS(Empty nest syndrome/空の巣症候群)に浸かるほどではないにせよ、1つだけ答えが出ていないものがありました。

それが「自分のアイデンティティ」について。これは様々なことに挑戦しながら、ずっと向き合った2024年でした。

軽はずみに考えて行動した結果、自分の首を絞めることもありました。

舞い込んできたチャンスをしっかり掴んで実を結ぶはずだと思った矢先に、まさかの撃沈をしたこともありました。

目の前のことを淡々とこなしているにも関わらず、消耗感が通常の100倍近くに感じられた時期が長かったのも2024年でした。

それでも、「自分のアイデンティティ」と向き合うことが、こんなに苦しくも楽しいものなのかと思ったのも事実です。

だって、未来への可能性は無限大ですから!(もはや20代前半に戻った気分)

そんな思いで過ごしていると、20代に差しかかる世界の未来を作っていく若者の一人である娘が、キラキラと眩しく感じられます。笑

キャリアを1つに絞る必要もなく、いくつか経験していく中で絞り込んでいけば良いし、これからの時代は1つよりも2つ、2つよりも3つといった具合にできることを増やしていけばいいと思います。今まで浸透していた「型」にはまる生き方をする必要はなく、むしろ今後のAIの発展を考えれば「型」にはまる方が危険であり、より柔軟に時代の波に合った生き方をしていきたいなとひしひしと感じています。

半ば強引に、ママから自立宣告をされた娘は、それまで漠然と考えていた自分の道をすぐに明確化しました。

そして、たった2ヶ月の間に情報収集から始まり、行き先の確定、必要な書類や手続きを済ませ、私が引越し断捨離に明け暮れている間に、自分のバイト代で次の国のビザ取得や飛行機チケットを手配していました。

この期間、ドイツ国内での運転免許取得の最終試験も済ませていたので、当初私が掲げていた「自分の道を自分で決められる人」に育ったのではないか、と感慨深いものがありました。

ちなみにその他冒頭で挙げた教育理念について、娘が身につけたのか?

親の愛情フィルターで見た見解では「身についた」と言えますが、皆さまのご想像にお任せします。

2025年も、私にとっては新たな挑戦が始まる年です。

人生100年時代と言われる時代に突入し、まだ今の年齢の倍以上生きられるのであれば、やはり死ぬ時に後悔するような生き方は一ミリたりともしたくないと思っています。

知ってましたか?

死ぬ時に人が後悔することの第一位が「自分の本心に従って生きればよかった」ということを。(「死ぬ瞬間の5つの後悔」ブロニー・ウェア著)

40年以上生きていても、本心が何かなんてわからない方もいますよね、多分。

自分の役割、役職、肩書きなんかが邪魔をして、そのフィルターから見た自分が考える”あるべき自分”の姿が、必ずしも”本心の自分”ではないかもしれません。

だから、若い世代に背中を見せられる生き方を、なんておこがましいことは思わないことにしました。

最終ゴールは、死ぬ時に後悔しない生き方をするために、「人生をどういきたいか?」「何を選択するのか?」に尽きると思います。

皆さまは、今年は何を選択しますか?どう生きますか?

ここまでお読みいただき、ありがとうございます。

2025年はもう少し更新頻度を上げたいと思っていますので、どうぞよろしくお願いいたします。

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