
ドイツ在住10年以上を更新している、シングルママ子育てを卒業したSunnyです。
子どもが自立して、子育てから解放されて、さぞかし自由時間があるかと想像されるかもしれませんが、今は今でやりたいことや、やるべきことが次から次へと降ってくるので(見つけてしまうので)、多少期待と違った時間の過ごし方をしています。
そんな中、最近仕事で関わっている方たちと話をしていて、感じたことがあったので、サクッとシェアします。
若い世代と働く日々
今の職場は「多国籍」であることは、最近の記事で書いたのですが、さらに10歳近く若い方たちとも一緒に働いています。
「10歳若い」と言っても、彼らは30代前半。まだ結婚も子どももいない、キャリアアップ真っ盛りの世代です。
そんな彼らと日々接していると、いかに向上心があって、毎日を真剣にキャリアのために生きているのか、良い刺激をもらいます。
30代シングルマザー時代の私
30代の頃の私は、シングルママでも、自分が納得できる子育てをしたいがために、ドイツでパート勤務をしながら独立起業を目指して、文字通り寝る暇惜しんで仕事に打ち込んでいました。子どもとの時間を最大限に確保しつつ、経済基盤を固めるためにダブルワークをし、在宅ワークが軌道に乗って独立起業一本化した後も、ドイツで子どもを育て切るという責任感で、文字通り馬車馬のようにずっと走り続けていました。
それと同時に、「成功体験」を積み重ねていく中で見えてくる、自分の成長への喜びもありました。
余談ですが、当時は「シングルママで個人事業主、毎月一定額以上の収入を上げ続ける」という、鉛のようなプレッシャーが肩に重くのしかかっていました。エンドレスに続く、ゲームオーバーができないような毎日でした。
そんなパワフルな30代があったからこそ、40代に入る頃にはバーンアウトして、一気に落ち込んだ時期もありました。
若い世代を見て感じること
話が大幅に脱線した感がありますが、そんな一連の人生の流れを経験してきた40代半ばの私にとって、キャリアアップに頑張る彼らの姿をどこか懐かしく、温かい目で見守ることができるようになりました。
中には勝ち気な性格や向上心の強さが120%現れている方もいるので、ふと過去の自分と重なったりしてね。(今は達観してます。笑)
ただ、自信がつくこと、自己成長できることはとても良いことですが、反対にプライドが高くなることもあるので気を付ける必要があります。プライドを持つことは良いのですが、自己主張が強くなるのと、成功体験の心地よさに浸りすぎて変化を嫌うようになります。
「変化を嫌う」というより、「変化を恐れる」というのが正しいかもしれません。生存本能なので仕方ない部分もありますが、視野が狭くなりがちです。
自己主張が強い相手との付き合い方
プライドが高すぎて自尊心の高い方は、特に欧州に住んでいると「自己主張能力」がピカイチ(←死語?)です。
自分の倫理に反する相手がいたりなんかしたら、感情的にコテンパンにやっつけます。言葉や態度で、徹底的に。
それは「大人げない」の一言に尽きるのですが、度が過ぎると誰からも相手にされなくなります。
こういうプライドの塊のような人は、学生時代にも大人になってからも必ずいます。
私の場合、子どもがティーンエイジの時期に親子で頭を悩ませたこともありました。
私たちがたどり着いた答えは、「同じ土俵には上がらない」こと。
自分の心身の健康を守るためにも、他人の毒素をわざわざ拾ったり同調したりする必要はありません。
「ふーん、あなたはそうなんだね。でも私は違うから」と、さらっと受け流して距離を置く。これが一番です。
他人の問題はあなたの問題じゃないし、あなたの問題は他人の問題ではない。
まさにザ・ドイツ式。
最後に
人間って、早かれ遅かれ、いつか死にますよね。(いきなり何、ですが。笑)
私は母を早くに亡くしているので、20代の頃から「生きるとは?」「幸せな人生とは?」とかを考え続けてきました。
また、20代でシングルマザーになり、否が応でも自分自身に向き合わざるを得ない状況になり、今に至ります。
30代でドイツ移住して思ったのですが、ドイツで生活していると、アンガーコントロールができていない大人が多いなと思いました。
その怒りの発端は、個人によって違いますが、長いこと様々な人を観察して考えてきた結果、「やっぱり人間って自分自身に向き合うことが本当に難しいんだな」という結論に至りました。
キャリアのためにしのぎを削って、怒りに任せて周りに当て散らかす方もいるし、言葉巧みに賢く装って、平気で言葉の暴力を振るう、たちの悪い大人もいますね。涼しい顔して不誠実なことをする人もいるし、平気で嘘をつく仮面人間もいますね。
自己の不満足を周囲に当たり散らかし、10分後にはケロッとしている人を目の当たりにした時には、狂っているな、と静かに心で思ったものです。笑
キャリアの観点から言えば、正解を求め続けて生きていれば、キャリア迷子にもなるし、そもそも「人生」という大きな視点から見たら、どんなキャリアを積もうが、正解も不正解もなく、正解にするのは自分の生き様であり、結局は「人間力」に尽きると思うのです。
もちろん、中には本当に素晴らしいキャリア街道をまっしぐらに幸せに突き進んでいる方々もたくさんいらっしゃいます。
どちらにしても、私は海外に長いこと住んでいて、そんな「人間丸出し」の異文化の環境に身を置いて、「生きるって面白いな」と思うのです。
ということで、ほとんどまとまっていませんが、”そんなに肩肘張らなくてもいいんじゃね?”というのが伝わって、どなたかがクスッとしてくだされば、幸いです。笑
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ちなみに、冒頭の画像はサイ・トゥオンブリーの代表的な大作である「レパント」シリーズの12点のうちの2点なのですが、世界史上もっとも象徴的な海戦のひとつ、1571年のコリント湾での海戦を題材にしているそうです。
この巨大なキャンバスに表わされた12枚のアートを見た時、これが船でこれが火かな、などと海戦を想像しながら、正直子どもが保育園時代に描いたお絵描きを見た時と似た感覚になりました。アートも生きることも、万人の定規で測れる正しさなんてないんだよな、とふと思いました。
ね、だから力抜こう。
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