ドイツに移住したら、毎日毎日必要になる語学力。
コミュニケーション能力でカバーはできるものの
それでも、ママさんとの約束やちょっとした買い物の時、
学校で必要なものの確認時など、
そもそもコミュニケーション能力があっても
意思疎通や伝達方法としての「語学力」がなければ
意味がありませんよね。
特にドイツのド田舎だと英語を話せないドイツ人は多く
子ども関連の細かい確認事項に
いちいち毎回、親切に英語翻訳してくれるママ友を見つけるのは至難の業。
移住先がド田舎だろうが都会だろうが、
もしあなたが英語を話すことができないと
最初の数週間または数か月はなんとかやり過ごすことができても
長期移住であれば、語学スキルは必須です。
そんな移住してきた人のために
ドイツでは国が支援している「Integrationskurse」という
格安のドイツ語コースがあります。
【目次】
格安すぎるドイツ語コース「Integrationskurse」とは?
「Integrationskurse」とは、ドイツに移住してきた人たちのために、
国が半分負担(正確には州)するドイツ語コースです。
2020年6月時点ですと、現在このドイツ語コースは
- 合計700時間
- 1レッスン(45分)1.95€(!)。つまり合計1365€。
となっています。
合計700時間の内訳は、以下の2つです。
- 45分x600時間のドイツ語コース
- 45分x100時間のオリエンテーションコース
※オリエンテーションコースは、ドイツで生活する上で知っておくべき
日常知識・法制度・文化・歴史を学びます。
700時間終了後、最後の「Life in Germany」というテストで合格すれば
次回のビザ更新条件をクリアすることになります。
ちなみに、参考までに通常の語学学校の値段と比べてみました。
- クオリティと価格の高さで有名な「GOETHE INSTITUTE(ゲーテインスティテュート)」現時点で、グループレッスン72時間が790€。※1時間あたり10.97€
- 大手語学学校「inlinguaインリングア)」 現時点で、グループレッスン週20時間(1週間)あたり150€。※1時間あたり7.5€
上記2校と比較してみても、破格値です。
追記ですが、お住まいに地域にある「Volkshochschule(フォルクスホッホシューレ・市民学校)」でも
ドイツ語コースがあったりします。
地域によって金額や時間帯が違ったりするので、
「Volkshochschule 〇〇(地名) Deutschkurse」で検索してみてください。
私が通ったドイツ語コース「Integrationskurse」
調べてみると、この素敵な語学コースは2005年の移民法とともに、導入されたそう。そして、思い出しました。
私が元夫と国際結婚をしてドイツへ移住し(2004年)
その後娘を出産後1年してからちょうどこのコースに通い出しました。
当時、このコースができたばかりだったとは知らなかったのですが
私が通ったミュンヘンのIntegrationskurseは、ママが数時間勉強中に
1歳児からの子どもは保育士のような方に預けることができました。
(有料だったと思うけど、破格値だった記憶。曖昧・・)
授業の時間は確か9:00~12:00の午前中の数時間でした。
2006年当時のクラスメイトの出身国は
アフガニスタン・イラン・イラク・トルコ・ブルガリア・スロバキア・
トーゴ(アフリカ)・マリ(アフリカ)。
トルコ系2世の聡明で賢い先生のドイツ語レッスンは
ものすごくわかりやすかったので、みるみるドイツ語の力がつきました。
確か教科書は自分で購入した記憶がありますが、
毎回先生がレッスンのためのワークシートを配ってくれ
宿題もたくさん出してくれ、ドイツ語で数も数えられず
時間も言えなかった私にとっては、初めてのドイツ語の勉強が楽しかったです。
ちなみに私が受講していた2006年はまだ合計660時間でした。
(600時間+60時間)
ドイツ語コース「Integrationskurse」は継続再開できる
私の場合、このドイツ語コースに通っている途中で
ド田舎への引越をし、その後すぐに国際別居になったため
実質500時間ほどのドイツ語コースを受けて、中途半端で中断しました。
その後、2012年に2度目のドイツ移住をした際に
この2006年に途中で辞退したところから継続できることを
移民局の人が教えてくれ、かなり時短することができました。
なんせ、ビザ(滞在許可証)更新のために
どうしてもこの「Integrationskurse」の修了&合格証明書が必要だったからです。
生活する上で、どうしてもドイツ語力が必要だということは
毎日嫌と言うほどひしひしと感じていたので、パートの仕事の傍ら
娘をドイツの祖父母に預け、夜の部のあるIntegrationskurseへ
再度通いなおしました。
「Integrationskurse」を受ける必要のある人は?
ドイツに移住したら、全ての人がこの「Integrationskurse」に参加する義務があるわけではないようです。
簡単に言うと、以下に該当する人です。
- ドイツ語で簡単にコミュニケーションできない、またはドイツ語について十分な知識をまだ持っていない、新しく移民された人々。
- 長い間ドイツに住んでいて、特に統合を必要としていて、入国管理局から要求されている外国人。
- SGB IIに基づいて給付を受け取り、基本的な社会保障の提供者、すなわちジョブセンターに参加する義務がある外国人。
その他、一定の条件を満たした移民・難民の方々も該当するようです。
※上記全ての参考リンク「BMI(Bundesministerium des Innern,für Bau und Heimat)」
最後に
私が2006年に受講した時は、女性専用のクラスだったということもあり
午前中のクラスで、若くて結婚したばかりのイスラム教の女性が多かった印象でした。
2度目の渡独時の2012年に受講した時は、パートの仕事をしていたのもあり
夜の部のクラスに通いましたが、日中がっつり働いている男女混合クラスでした。
西欧・東欧・アフリカ・アジアなど、様々な国籍が混じっていました。
文化や価値観が違うのは当たり前ですが、生き方のノリも違います。
クラスメイトがリアルで体験した、ニュースで聞くだけの
内戦や貧困、社会情勢について耳にしたとき、驚愕したのを思い出します。
その反面、イスラム教の女性たちがかぶる布(ヒシャブ)がめちゃ可愛いデザインで
毎回洋服とコーディネートされたオシャレを楽しんでいる若い彼女たちに
あれこれデザインについて聞いて楽しいおしゃべりをしました。
移民・難民も多いドイツ。そんな私も移民の一人に入るのかな。
それぞれの身の上に起こったことは様々ですが
移住後に彼らと接する機会があったことで
世界に対する視野が広がったことは間違いありません。
ドイツ語が話せるようになれば、ドイツがもっと面白くなります。
母子移住される方は、ママがドイツ語コースに通う間の
お子さんの預け先なども、是非視野にいれて移住計画をされてくださいね。
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