「シングルマザーのドイツ移住、何が必要だろう?」
世界的なコロナパンデミックの影響から
しばらくはそんな疑問は出ないかもしれませんが
そんな疑問を持っている方のために
簡潔に順序だてて書いておきたいと思います。
ドイツ母子移住に必要なものとは?
結論から言ってしまえば、以下の5つです。
- 滞在許可証(ビザ)
- 資金
- 語学力(英語・ドイツ語、またはその両方)
- 行動力(判断力・柔軟性含む)
- 明確な目的意識
順に解説していきます。
1.滞在許可証(ビザ)
説明するまでもなく、これがなければ90日以上となる長期の間
ドイツに滞在することができません。
ただ、ビザに関してのすったもんだは
私の場合はあまり前例がなく参考にならないかもしれません。
滞在許可証の種類については、大きく分けて4つです。
- Aufenthaltserlaubnis(通常滞在許可)
- Blaue Karte EU(EU Blue Card)
- Niederlassungserlaubnis(無期限定住許可)
- Erlaubnis zum Daueraufenthalt EU(EU圏内における無期限定住許可)
学生ビザや、研修ビザ、家族ビザ、などは「Aufenthaltserlaubnis」に入ります。
「Aufenthaltserlaubnis」だけでも、各状況によって細かい規定があるのと
あなたの移住時に規定が変わっている場合もありますので、
一番確実なのは、ドイツ連邦移民難民局のHP(英語表記あり)で
確認した方が良いかと思います。
※大分前の記事ですが、詳しく日本語でまとめているブログがありましたので
参考までに貼っておきます。
ちなみに、たまに質問を受けることがあるのですが
私の場合は娘がドイツ国籍を有しているので
この「Aufenthaltserlaubnis」の中の
「家族・親族等の関係でドイツに移住する者」に該当します。
ただ、私の場合は移住を決めたときに
元家族が(滞在許可発行に関しては元夫が)外人局で状況説明をし
どんな手続きが必要かを確認した際に
「国際離婚をして日本に5年も母子で住んでいるにも関わらず
ドイツ移住の際の滞在許可証の発行をする必要性を感じない」
と、なりました。(いかにもドイツらしい回答)
その際、元夫も娘と暮らせることに必死でしたので
- まず、外人局の担当者と良い人間関係を築き
- どういった方法が一番妥当に移住許可が下りるか聞き
そこで出た答えが「就労許可証」でした。
ですので、元家族のお知り合いの中から
私をパート勤務させてくれるところを探し出してくれ
移住前にすでに「就労許可」&「滞在許可」を手に入れました。
※誤解がないように書いておきますが、ここまでの良い人間関係を築くまでに
5年かけています。その間にも諸々ありましたが、未来を見据えて相当努力しました。
また、移住に至るまでのストーリーは後日まとめます。
2.資金
母子移住を決めたときに、それ相当の期間を用意するかと思いますが
滞在許可証と同じくらい、「資金」は必要です。
子どもの人数・年齢・あなたの就業状況にもよりますが、具体的な金額で言えば、移住後すぐに仕事を始められる目処がたっていて、一年と決めているのであれば、最低100万円はあった方が良いと思います。
一年以上であれば、200万円以上が望ましいです。
100万円以下ですと、移住後滞在許可はもらえたけれど住居探しなどスムーズにいかなかった場合を考慮すると崖っぷちになります。私がそうだったので。
3.語学力(英語・ドイツ語、またはその両方)
母子移住は、国際結婚での移住、駐在で家族と一緒での移住とは違います。
ママであるあなたが、子どもを守っていかなければなりません。
子どもの人数や性格、性別や年齢にもよりますが
例えば、今年のコロナウィルスによって世界的に社会情勢が変わった時
情報収集や周りの方とのコミュニケーション、学校からの連絡など
ドイツ語も英語も話すことができなければ、わざわざ誰かが時間を割いて
細かく助けてくれることはありません。
それは肌感覚で思いますが、英語圏の方々とドイツに住む方々の
人生に対するノリが違うものであるからだと、私は理解しています。
ですので、移住したいという「夢」があるのなら
「今」から語学勉強を始めることをオススメします。
4.行動力(判断力・柔軟性含む)
ドイツに母子移住する時点で、すでに行動力があるかと想像できます。
そして、移住後はその能力を更に磨く必要があります。
なぜか?
なぜなら、上記3でもちょっと説明していますが
ドイツに住んでいる人全員が、親切ではありません。
おまけにイライラしている人は多いし、差別的思考を持っている人もいます。
疑問点があればどんな細かいことも、恥もプライドも捨て
勇気を振り絞って、その都度自分で聞きに行くことをしなければ
誰も助けてくれません。気づきもしてもらえません。
この「人に聞く」ということは、
- その辺の道に歩いている人
- バスで隣の席に座っている人
- 諸管轄所へ電話すること
なども、含まれます。
また、コロナパンデミックのような状況を鑑みると
母子移住の場合は、日本に帰国するという判断力や
志半ばで帰国するという柔軟性も必要かと思い、追加しました。
5.明確な目的意識
母子移住の場合、移住後8年経過して思うのは
この「明確な目的意識」がなければ挫折するかと思います。
私の場合は、移住を決めた時に
腹をくくって覚悟したことがありました。
それは、
例え私が死ぬことがあっても
- 娘が元家族とコミュニケーションをとれるようになり
- 娘が自立して自分の人生を歩んでいけるようになり
- 娘がドイツの学校を卒業する
というものです。
移住して8年経過していますが、コロナパンデミックがあろうが
今もそれは自分の中で確固として存在しています。
最後に
いかがでしたでしょうか?
母子移住について情報を探していた8年前、
私のような状況の方のブログは皆無でした。
移住した今も、私のような経緯を歩んだ日本人ママさんには
一人も出会っていません。
(いらっしゃったら、是非お友達になりたいです。)
シンママとして、一人の人として「夢」を叶えることは
素敵なことです。
しかし現実世界は、そう甘くはありません。
大事なことなので何度も書きますが
お子さんの人数、年齢、性格によっては
ママの選択が良くも悪くも、成長に大きく影響するかもしれません。
現在は、コロナパンデミックの影響で
世界全体が不安定なので、移住はおススメしません。
しかし、近い未来に8年前の私のように
子どもの未来や自分の人生をしっかりと考えた上で
母子移住が選択肢にあるのなら、
是非、私のブログ記事を参考にしてみてくださいね。