日本はもう夏休みが終わったところが多いかと思います。
ドイツ南部のバイエルン州は、夏休み終了まであと1週間です。(バーデン・ヴュルテンベルク州はあと2週間。他の週はほとんどが終了しています)
コロナ禍でのドイツの夏休みの過ごし方。
日本とドイツではやっぱり違う。民族性の違い、文化の違いなのでしょうね。
【目次】
コロナはどこへ?ドイツに自粛警察パトロール隊なんていない。
お盆期間中まだ夏休みだった日本で、4人の子どもをほぼワンオペで育てている妹とチャットしていて驚愕したことがありました。
それは・・
ちなみに妹は、東京近郊住まい。人口密度も高いですよね。
自粛警察については、ちょっと前に社会問題になりつつあったようですが、いやはやドイツに、わざわざ自分の時間を割いて、他人の行動をチェックして、あれこれ当人に口出しをするようなパトロール隊なんていませんよ・・。
そんなドイツ。
コロナ感染拡大が止まらなかった欧州は、早い段階(3月中旬)からロックダウンし国によっては厳しい行動規制がありました。
その結果、ある程度の感染者数が減ったのもあり、ドイツにおいては経済回復を視野に入れ、6月下旬には行動規制が大分緩和されていました。なぜなら、一番早い州だと6月下旬から夏休みが始まったからです。
今年は猛暑続きだったドイツでは、欧州国内旅行が緩和されたのもあり、普段は国外旅行をするけどコロナでプチ自粛している人々が「海」を求めて、ドイツ北部のビーチへ行き、多くの人でごった返しました。
(イメージ画像)
「自粛パトロール隊」なんて、多民族国家でもあるゆえ「個人主義」のドイツという国には存在しないのではないでしょうか。
あくまで「自己責任」。
その上、何度かマスク着用義務の反対デモや、飲食店の営業時間規制に反対するデモも起こりました。
(最近では、ベルリンで行われる予定だったマスク着用義務反対デモは、感染者数が増えたため禁止になりましたが。→追記:その後警察と裁判所ですったもんだがあり、最終的にデモが許可され、35000人を超える大規模デモが行われました。)
他人との距離なんてほぼない状態の多くの人々で埋まったビーチには、実際に本物の警察が注意喚起のために数人配置されたようでした。
アナウンサーも「コロナはどこへ?」と皮肉を言ってみたりして。笑
自粛警察が存在しないドイツ。それなりに自由な夏休みを謳歌した後どうなったか?
そうして終了した夏休み。
そんな人でごった返した夏休み後、どうなったか?
夏休みが8月上旬に終わったドイツ北部では一気にまた感染者数が増えてしまい、新学期がスタートしたもののすぐに学校閉鎖になるところも。
・・・とかいう記事を書いている自分が、「自粛警察」みたいだなとか思いますが。。
いやはや新学期始まってまた学校閉鎖って・・
親としては勘弁してほしいものです。
実際、バイエルン州でも感染者はまた増加傾向にあり、最近だと罰則強化されました。
店舗などの施設内で従業員がマスク着用をしていなかった場合は5000ユーロの罰金だそうです。
公共交通機関内や店舗内でのマスク着用義務は引き続きあり(6歳以上)、14歳以上の違反者には250ユーロの罰金です。
ただ、日本と違うところは、ドイツは室内や建物「内」のみでの着用義務。
建物の外に出た途端、皆さまマスクははずしています。(戸外の暑い中のマスク着用は逆に危険です)
ドイツのコロナ対策は意外としっかりしている。
ドイツは、様々な文化背景を持つ人たちが多く住んでいます。
以前も書いたかと思いますが、旧東ドイツと旧西ドイツ、ドイツ北部と南部では雰囲気も人も若干違います。
ドイツ国内では
- 建物内(スーパー・銀行・郵便局・美術館など)でのマスク着用義務
- 公共交通機関(バスや電車内)でのマスク着用義務
- レストランは入出店時、トイレ時、マスク着用義務
- フェリー乗船中もマスク着用義務
- ショップなどは入店可能人数の制限あり
となっています。
「義務」なので、どの国籍の人もドイツ国内にいるなら、店舗内に入る場合にはきちんとマスク着用を守っています。
※マスクの変わりにスカーフやマフラーでも代用可ですが、鼻と口を覆わなければいけません。(たまに鼻を覆っていない人もいますが)
おまけに、店内入口には大抵「消毒液」が置かれていて、しっかり管理しているお店は、入店前に消毒液で手をキレイにしなければ入店できなかったり。(こういうお店では、感染経路を辿るための個人情報記入の協力も徹底しています)
しかも、ほとんどのスーパーや小さなお肉屋さんでさえも、しっかり危機管理のできているお店は透明のアクリルボードがレジやカウンターの前に取り付けられています。
レジ前の床にはロックダウン時から1.5mごとにテープが貼ってあるので、他人との「距離」を測るには今なお一役買っています。
カフェでは、隣の机との間隔が以前より広くとられていたり、9月末まではお店の前の公道にもテーブルを出して良いことになったので(バイエルン州以外の州もそうかもしれません)、カフェ通りの公道はオシャレな外席が並んでいて結構可愛いものもあります。
(カフェ通りの外席は個性が出てオシャレ)
(タイカフェの外席はトロピカルな雰囲気)
(隣同士の席の間にクリアボードのついたてがあるところも)
個人的には、このコロナ禍で公衆衛生管理をないがしろにしているお店については、危機管理が低くて2度と訪れたくないという判断材料にもなるので良い勉強になります。
近隣の欧州諸国ではマスク着用義務がなくなった国もあるので、ドイツが予防策をルール化してくれたことは安心です。
コロナ禍でのドイツの夏休みの過ごし方。(我が家の場合)
そんなドイツで、コロナ前もコロナ後も、基本的に在宅ワークが天職だと思うほど引きこもることが苦ではない私。
そしてそんなママの傍で、やっぱりまったり家でくつろぐことが好きな我が娘。
娘の友人たちがコロナ対策をしつつ、ドイツ国内での家族旅行をしている話を聞いても、特にこれと言った希望を出してこないことは、娘なりの私への思いやりなのか、ただ単に興味がないだけなのか・・。
今夏に予定していたイタリア旅行を大分早い段階でキャンセルしてからは、バイエルン州の街の散策や自然の中で過ごしたり、山歩きをしたり。
いつもとは違う夏で時間がたっぷりある祖父母宅に、娘だけ連泊して田舎生活を楽しんでもらったり。(祖父母宅でもまったり引きこもる我が娘・・)
ドイツで出会う周りの人たちに夏休みの過ごし方(旅行先)を聞いてみると、
1位 ドイツ国内旅行
2位 イタリア
3位 オーストリア
といった感じでした。
あくまでも私の周りの人たちですが。(人種は様々です)
そう。
結局は、コロナ禍だろうが何だろうが「自己責任」ですからね。
自粛警察パトロールをする、という発想はドイツで出会う人々にはないのかもしれません。
ただ・・
「自分が感染源になるかもしれない」という発想がなく、コロナ自体が過ぎ去った過去のように夏を謳歌してしまうのは、やはり考えものかなと思います。
その結果、また感染拡大や学校閉鎖などになってしまうのは、個人的に自粛して過ごしてきた人たちにとっては、行き場のない怒りを感じずにはいられないのも理解できます。
まとめ
コロナパンデミックで、生活スタイルそのものが変わった方は多いかと思います。
妹の話を聞いて、日本でのワンオペ4人育児の夏休みはただでさえてんやわんやで大変だろうに、今年はコロナでおうち時間が増加。
たまに子供たちと外に出ようものなら、近所のコロナ自粛警察パトロール隊の言葉に出くわすなんて、どれほどの疲労感かと想像するだけで気の毒になりました。
ドイツ語が話せれば、ドイツでのワンオペ4人育児の方が楽なのではないかと思うほど。(と言っても物理的に無理だし、コロナじゃなくてもそんな簡単な発想で移住は薦めませんが)
でも、まだまだ長期戦で考えると「住む場所」・「働き方」・「今後の生き方」など、きちんと向き合う必要があるのではないかと思います。
むしろ、変えたいなら今すぐ行動するべきかも。
「コロナコロナってうるさいよ」と思うあなた。それもOK。
自分の人生は全て「自己責任」ですから。
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