ドイツの子育て ドイツの生活

ドイツ人との国際離婚。円満離婚でも子どもの養育費管理は抜かりなく。

  1. HOME >
  2. ドイツの子育て >

ドイツ人との国際離婚。円満離婚でも子どもの養育費管理は抜かりなく。

ヘビーなタイトルですみません。

お子さんがいる離婚の場合、日本でもドイツでも「養育費」についてははっきりとさせておいた方が良いことの一つですよね。

私の場合、国際離婚成立が子どもが3歳の頃だったのですが、その際に養育費に関する誓約書を書いてもらいました。

相手の収入によるかとは思いますが、平均額がこのくらいだと当時ネットで調べて決めました。

その額、月額500€。収入が高ければ大した額ではないかもしれませんが、それでも感情的に支払うことを渋る方も多いと聞きます。

一方、ドイツに限って言えば、養育費とは別に元奥さんがフルタイムワーカーでも、元奥さんと子どもの住む家の家賃まで負担する方もいらっしゃいます。(円満離婚の場合がほとんどですが)

私たちの場合、国際別居中しばらく元夫が無職だったり季節労働者みたいな仕事をしていた時期もあり、生活費及び養育費がゼロだった時期が一年ほどありました。

そんなこともあり、離婚する際に月額の養育費についての書面を2部用意し、お互いのサインと日付を記し、それぞれに保管するようにしました。

後から知りますが、この文書は第三者立ち会いの元、できれば弁護士や裁判官等のサインのある公正証書だと完璧です。

公正証書は、最後の切り札のようなお守りとして用意すると良いかと思います。

ドイツ移住後、養育費について第三者に管理してもらう。

私の場合は、日本法で国際結婚&離婚をしました。

日本法で国際離婚が成立した後は、離婚証明書をドイツ語翻訳してもらい、アポスティーユを貼り付けたものを、ドイツの市役所に送ったと記憶しております。

元夫曰く、「ものすごく面倒で煩雑な手続きだった」と、のちに何度か笑いながら愚痴られました。(という話ができるほど、今はそれなりに友好関係を築いています)

話が前後しましたが、ドイツ-日本と国際別居が一年を過ぎ(一年別居しないと離婚できません)、日本法で離婚が成立しました(当時は日本がハーグ条約非加盟国でした)。

日本にはそのまま5年住みましたが、東日本大震災を機に、再度母子でドイツ移住をしています。

(この辺りは私のプロフィールをご覧くださいね)

ドイツ移住に伴う手続きは、元夫と元義母が精力的に行ってくれました(感謝に尽きる)。

私の場合は、元家族のつながりでミニジョブでの仕事先があったものの、自活する上では極貧な経済状態になるかもしれなかったので、念の為管轄の市役所へ生活保護の相談へ行きました。

その際に、生活保護ではなく「養育費」についてを担当の方が説明してくださいました。

Jugendamt(青少年局)とか、Rathaus、Landratsamt(市役所)の Fachbereich Kinder,Jugend und Familie が管轄だと思います。日本で言うところの、子育て支援課とか住民課になるのでしょうか。

元夫は娘のために養育費を支払う意思があることは知っていたし、当時はすでにそれなりのお給料を稼いでいたので、市役所に管理してもらう必要はないかもなと思いました。

ただ、当時生活保護に関することで市役所の担当者と元夫が口論を始めたので(普通に考えて、あらゆる点でこの状況がおかしいと思いますが、私の周りのドイツ人は怒りっぽい人が多かった)、

養育費に関する話については、市役所の担当者の方の計らいで、別日に私(と娘)のみが来るように設定されました。

再アポ当日、A1レベル(初心者)のドイツ語力とドイツ語辞書を駆使して、養育費管理担当の方の丁寧な説明に

「今は不要かもしれないけれど、この先何があるか分からないのよ。念の為に(私たちに)管理を依頼しておけば、あなたが楽よ。」

と、優しく諭されたのを覚えています。涙

別日の元夫と市役所担当者との口論を見た、養育費担当の彼女からの優しい提案であったこと、今でも感謝しています。

生活保護については、諸々の条件が揃ったので、その後数ヶ月は生活保護ももらいつつ生計を立てていた時期もありましたが、副業が軌道に乗った時点ですぐに解除申請しました。

第三者管理は本当に楽。半年に一度、両者それぞれに確認の手紙が送られてくる。

私の場合は、この10年の間に別の州に引越しをしましたが、市役所管轄の担当者に一言連絡すれば、住所管轄の担当者に管理が引き継がれます。

半年に一度、元夫は給与明細申請などをして、担当者がその都度養育費額の再計算をし決定してくれます。

私の方は、得に何か申告する必要はなく、担当者から支払い状況についての確認のみです。

相手の給料が高ければそれなりに養育費の額は上がりますが、きちんと明細があれば、本人は税金控除を受けられます。

給料が低くなれば、その額に応じた無理のない額が計算されます。

ですので、お互いにwin-winなのです。

養育費を受け取る私の方は、税務申告が必要ではあります。

もしかしてチラッと思った方がいるかもしれませんが、無申告で脱税するほど私の肝は座っておりません。

私の場合は個人事業主というのもあり、むしろ脱税が見つかれば、最悪、永住権は剥奪されドイツを強制退去させられ、入国できなくなることだってあるかもしれません。

シングルマザーでドイツに移住した私は、永住権を持とうが、ドイツ国籍を持つ子どもがいようが(どうせもうすぐ成人年齢になる)、所詮「外国人」です。

担当者によって判断が違う国、ドイツ。管轄の担当者の持つ思い込みや、人種差別もなきにしもあらずですから、やはり慎重になります。

余談ですが、個人事業主で小さな脱税をされる方やグレー、ブラックな方はドイツ人、日本人問わず、ちらほら今までお目にかかったことがありますが、

個人的にはその時点で、相手を信用することはできないなと思います。

最後に

私と同じような状況の方にはお会いしたことがなく、もしかしたらドイツ暮らしの多くの方の参考にはならないかもしれません。

ですが、離婚をする際にはやはり「万が一」を考えて養育費額の取り決めや、市役所管轄の担当者へ管理をしてもらうことをお勧めします。

正直、月500€の養育費と、ミニジョブの給料(月450€/当時)では生きていけません。生活保護で家賃分を少しカバーしてもらったとしても、生活は苦しいです。子どもに十分な教育も難しいです。

そもそも、元夫が経済的に豊かで十分な額を支払う意思があれば別ですが、上を見ればキリがないし(恵まれた環境のシングルマザーもたくさんいらっしゃいます)、下を見れば自分の置かれた環境に感謝しか湧きません(苦しい環境のシングルマザーの方もたくさんいらっしゃいます)。

ですので、他者と自分を比較することなく、そして相手へのネガティブ感情に左右されることなく、淡々と法的にできること、国のシステムを利用できることは、どんどん調べて利用するのが一番かと思います。

我が家の場合は、コロナパンデミック後のこの一年以上は、養育費ゼロの時期が続き、行政を通して養育費支払い義務について管理してもらっていたことで諸々の確認ができるので助かっています。

ですが、過去に多く払ってくれていた時期もありますし、過去10年以上をまるっと統括すれば、今あるべきことに感謝です。

どなたかの参考になれば、嬉しいです。

-ドイツの子育て, ドイツの生活
-, ,