オンライン授業が日常になること、早一年。
16歳にもなると、ほぼ自立した大人のように成長してきて、あれこれと身の回りの世話をしていた小さな頃とは、また違った子育ての楽しみがありますね。
特に娘の通うモンテッソーリスクールは、「自立した人」として教育をすることが根底にあるので、わたしがあれこれする必要性が全くありません。
むしろ、あれこれする親に対しては、学校側(担任や各教科の先生)から注意されます。
元々それほど大したことのないわたしのドイツ語力ですが、ここ数年で更に低下したのもあり、昔から“大学に行きたい“と向上心のある娘には
と言い放ち、
と、応援のつもりで伝えています。
そんなことを言い放たれた娘、あっけらかんと
「OK〜」
のみ。
ドイツらしいのかな。
「全ては自己責任である」ということを知っているようです。
そんな中、先日クラスの担任の先生との保護者面談がオンラインで行われました。
すでに何度も行なっていますが、過去に記事にしていなかったので、娘が以前通っていた「シュタイナー学校」との比較を綴りたいと思います。
ドイツのシュタイナー学校とモンテッソーリ学校の保護者面談の違いとは?
まず、我が家の場合、ドイツに移住後はすぐに「シュタイナー学校」に5年、その後は「モンテッソーリ学校」に4年通学しているので、ドイツの公立学校がどんな感じか実際はよくわかりません。
なので、もしお子さんがドイツの公立学校、または地域によってはモンテッソーリ教育をベースにした公立学校もあると思いますので、わたしの経験談が参考になれば嬉しいです。
シュタイナー学校とモンテッソーリ学校の保護者面談の違い
シュタイナー学校とモンテッソーリ学校の保護者面談の大きな違いは、
「子ども本人が同席するかしないか」。
ことに、シュタイナー学校の場合は、年齢が低い1〜5年生だったのもあるかもしれませんが、本人が同席することはまずありませんでした。つまり二者面談になりますね。
また、年に2度だったか10月頃と3月頃に「Elterngespräche」という保護者面談期間が学校から用意されるのですが、あくまでも担任の先生と話をしたい家庭のみでした。(希望であれば4年生頃から教科担任の先生とも)
どちらにしろ問題があったときには、直接担任の先生宅に電話をして話をすることが可能だったので、保護者面談だけがチャンスというわけではありませんでした。
※学年の最初に、全校生徒と先生たちの住所や電話番号が書かれた電話帳をもらえる。
それとは別に、モンテッソーリ学校の方は
「必ず子ども本人が同席」します。なので、正確には三者面談になります。
まだ小さい1年生から面談に参加します。
また、年に2回、12月頃と4月頃にあります。
わたしはシュタイナー学校の保護者面談に慣れていたので、モンテッソーリ学校の最初の保護者面談に担任の先生に「面談は子どもが主体なので、Sunnyさん(苗字で呼ばれましたが)は見守っていてくださいね」といった説明があり、驚いたのを覚えています。
ドイツ語で学校での娘の様子を聞いたり、説明したりすることをある程度想定してあれこれ考えていたのですが、担任の先生の言葉で、親としてのそれらの面倒な説明が不要とわかり、「ラッキー♪」とさえ思いました。笑
よく考えれば、そうなんですよね。親が心配してあれこれ言ったりやったりしたところで、子どもが自分で気づいて「主体的に」課題をこなしたり勉強をしていかないと、成長しないですものね。
逆に言えば、「自分でしなければそれまで。全ては自己責任」とも言えます。この辺りはさっぱりと割り切った冷たい感じは、ドイツらしいところかもしれません。
ちなみに、面談時間はどちらも15-20分。公立学校の5分とかに比べると長いかもしれません。
モンテッソーリ学校の三者面談は「子ども」が主体。
上述したように、我が家はドイツの公立学校へ通っていないので、あくまでも我が家の経験したことのみ書きますね。
子どもの「自主性」「自立心」を育てる教育方法というのもあるからか、面談前に渡される一枚の質問表には、毎年同じような以下の質問が書かれていました。
これは、子ども用と保護者用に別々にあります。
①あなたの(子どもの)得意な科目は何ですか?
②あなたの(子どもの)苦手な科目は何ですか?
③今後どのように改善していきたいですか?
これを面談前に、事前に渡された成績表を見ながらまずは親子で話し合います。
娘はシュタイナー学校から転校した最初の一年は、特にフランス語と算数に苦労したので、塾(Schülerhilfe)に通っていました。なので、本人なりに頑張っていたのも知っていたし、わたしからは特にあれこれ書くことはありませんでした。
※そもそもシュタイナー学校のドイツ語や算数の授業で普通に使われていた言葉と、普通の学校やモンテッソーリ学校で使われている言葉に違いがあります。どのことを先生が言っているのか最初は娘は苦労したものの、すぐに慣れたようでした。
面談当日は、先生が上記の質問表を見ながら、子どもと対話する感じです。(15-20分)
わたしはあくまでも横に座っている「人」。笑
口出しをする親も多いのか、先生には「子どもが主体なので、○○(娘の名前)に質問しますね」と念を押されます。
7年生くらいなると、①に自分の強み、②に自分の弱みが加わり、③でどう改善していったらいいのかなどを先生とディスカッションしていきます。
隣で黙って聞いている私は、娘と先生が的確に分析している様子や、弱みだけにフォーカスせず強みについても、本人がどう考えているのかなどを、今まで学校であった出来事などを踏まえて、フランクに話をしてくれて、ただただ感動しました。
とさえ、思います。
転校当時は、担任の先生のことが好きになれなかった娘ですが、この3年間はとても良い担任の先生に恵まれ、本当にたくさんのことを吸収し、彼女なりにかなり成長しました。
わたしの方からは、事務的なことの確認をする程度で、あとは先生にただただ感謝を述べるだけでした。このコロナ禍で、クラスの半分は通学、半分はオンライン授業だったり、コロナ感染者数の増減によって、前の週の金曜日とかに翌週月曜日からの予定が変わることもあって、本当に大変だったと思います。
それでも変わらず、モチベーション高く、オンラインでも子どもたちに授業を行なってくれ、本当に感謝につきます。
あ、忘れてました。
最後に③今後どうやって改善していくか、の話の時に、来学期の目標を決めます。(娘本人が決める)
今回はオンライン面談だったので実際にはなかったのですが、過去の面談全部では、娘が決めた目標を質問表の最後に書き、本人のサインと日付を入れます。
(低学年もするみたいです)
その後、それをちゃんと証明するために、保護者(わたし)のサインと、先生のサインを書いて、終了になります。
ザ・ドイツ。
どなたかの参考になれば嬉しいです。
〈参考記事〉